発行元 黒島 伝治 .
エディションノート
社会制度の観点から農民文化について述べた、有島武郎の談話。 地主に搾取され悲惨な境遇におかれている小作人には、文化を享受したり文化を創造したりする余裕はない。小作人を苦しめている私有財産制度を撤廃してはじめて、農民文化を論ずることができるのだ、と主張している。 この文章から、前年(大正11年)、農場解放を行うにいたった有島武郎の思想を読み取ることができる。(mono)[文字遣い種別]新字旧仮名[底本]有島武郎全集第九卷[出版社]筑摩書房[初版発行日]1981(昭和56)年4月30日