「豊臣政権の貴公子」宇喜多秀家 (角川新書) by 小和田哲男 ダウンロード PDF EPUB F2
この本は、備前を領主とする宇喜多秀家の生涯を描いている本である。
豊臣政権では、五大老の一人にまでなり、しっかりと豊臣政権を支えた男である。
おそらく、人柄は、誠実の人ような気がする。
豊臣秀吉が死んでも、露骨に家康には、くっつかず、関ヶ原の戦いで、西軍の最大兵力の1万7000人まで、投入して、善戦している。
ただ、本書では描かれていないが、宇喜多と毛利は、隣国であり、絶えず、仲が悪い。
その為、関ヶ原の戦いは、毛利、吉川、小早川の三つは、西軍でありながら、宇喜多の存在を気にして、東軍に回ったというのが、客観的な評価である。
しかし、毛利ー吉川ー小早川は、自分たちが裏切ったら、家康は、裏切った人間を絶対に許さない事がわからないのだろうか?それは、加藤清正や福島正則のように、石田三成憎し、家康に味方して、最後は、家康に潰されるというパターンと同じである。豊臣恩顧の大名は、明らかに、先見の明がなく、家康にいい様に使われたと言えるだろう。
さて、本書に戻ると、宇喜多秀家は、相続し、豊臣政権に入り、しっかりと、キャリアを伸ばしていたが、宇喜多騒動というお家騒動に巻き込まれてしまう。それを乗り越えて、関ヶ原の戦いに、しっかりと、軍勢を整えて、1万7000人の勢力を投入できたことは、素晴らしいが、負けて、残念であり、島流しの刑にあう。
個人的な感想を言えば、もっと、宇喜多秀家の研究をもっと、進めるべきである。敗軍の将なので、歴史資料が少ないのはわかるが、どのような人柄だったのかや、どのような政治体制を目指していたのかなど、もっと、読者が知りたい事は多い。
また、ドラマチックな事が事が少ないので、とても残念である。
私は、関ヶ原の前の戦いで、西軍が勝った杭瀬川の戦いで、宇喜多が参加していれば、西軍は、勝ったと思う。